LIVE REPORT 3.21
自身2度目の国立競技場公演。初日は厳しい寒さと強風に見舞われた。宇宙的なオープニング映像の最後、“L'Arc~en~Ciel”の名が表示されると、特効が炸裂。古代ギリシャ神殿風の柱がそびえる横長の巨大ステージに、4つのシルバー カプセルがせり上がってくる。ターバンから赤いエクステを垂らしたyukihiro、カーキのジャケットに赤いベレー帽姿のken、緑のヘアスタイルが目にも鮮やかなtetsuya、最後に、目元以外を黒布で覆ったhydeがカプセルから抜けだした。会場に満ちた緊張と期待感を引きつぐように、1曲目は「get out from the shell」。スリリングな幕開けに、大歓声が湧く。続く「SEVENTH HEAVEN」では紙吹雪が舞い、開放的なムードに。客席は360度に設けられ、背後に伸びたランウェイを活用し、全方位の観客とコミュニケーションを図った。「REVELATION」では、「君たちの力で国立に火をつけてくれ!」(hyde)とカウントダウン開始。コール&レスポンスの末、スクリーンの数字が0に至ると同時に聖火が灯った。続く「GOOD LUCK MY WAY」ではみなぎる疾走感で明るく盛りあげたあと、顔を覆う布すべてを取りさったhydeは、「BLESS」のワンコーラスをアカペラで披露。空に溶けこむように澄んだ歌声と、音と音とが対話するような親密なアンサンブルで観客を深く引きこんだ。
hydeは、「お待たせ、ラルク アン シエルです。よく来たね」とあいさつし、「今日は全力でかわいがってやるから、楽しもうぜ!」と、自らギターをかき鳴らして「HONEY」へ。続けて、「winter fall」「New World」とシングル曲を連打、「READY STEADY GO」のラストでは、yukihiroがひとりステージに残り、気迫に満ちたドラムプレイで会場の視線を釘づけにした。
メンバー プロデュース グッズのCMが終わる頃には、夜のとばりが降りていた。サブステージでは白い布が膨らんでやがて球体となる。現代アートのように地球や眼球の映像が投射されると、「the Fourth Avenue Cafe」のイントロに合わせて球体が割れ、メンバーが出現。予め観客に配布されたリストバンド型ライト L'edバンドが一斉に白く灯り、音楽と光の共演に歓声が上がる。「君たちは僕によって制御されてるんですよ」(hyde)と、ライトセーバーさながら、ステッキを振りまわして色が切りかわるのを楽しんだあと、「リハやってても泣けてしょうがないんですよ」と語った、情感のこもった「未来世界」を披露。ドラム台にメンバーが身を寄せあうように腰かけ、tetsuyaはアップライト ベースで温かく旋律を紡いでゆく。続けて「あなた」のピアノ イントロが流れると、客席は青い光の海に。2コーラス目のサビではhydeが観客にマイクを向ける。会場が一体となって歌う様子をやさしく見守るメンバーたち。2曲ともに、ファンへ捧げる想いのように聴こえた。
再び暗闇に包まれると、遊泳するクジラの影がスタンドに投影されるなか、kenがメイン ステージでギターソロを奏ではじめた。混沌とした音の連なりがやがて「MY HEART DRAWS A DREAM」のイントロにたどりつくまでの浮遊感が心地よかった。緑のレーザーが攻撃性を増幅させた「CHASE」、紫やピンクのL'edバンドが瞬き艶っぽさを高めた「X X X」、いずれも光の総合演出で曲の内なる景色を描いていく。対比的に、暗闇にトーチが灯るなかで披露された「wild flower」は、凛とした生命力を感じた。続く「DRINK IT DOWN」では、ステージのみならずアリーナの外周でも炎が噴きだすダイナミックな演出が。「火、いいね。あったかくて(笑)。めっちゃ寒そうですね、yukihiroさん。脂肪がないから」(hyde)と気遣う場面や、炎に手をかざすtetsuyaに気づき「温まってるんじゃないですよね?」(hyde)、「急に風向きが変わって燃えそうになった(笑)」(tetsuya)というやり取りも微笑ましかった。
そして、歓喜の瞬間がついに訪れた。hydeが「ライヴするならシングルを出したいと思ったんですけど、まあご覧のように……(笑)」「せめて会場でやれたらな、なんて……夢を抱いてたんですよ」と一喜一憂させた末、「夢って叶うもんやな。間に合いました」と、新曲「EVERLASTING」を初披露したのだ。インダストリアルな打ちこみで幕を開け、やがて荘厳なストリングスの調べが重なる。禁断の恋を女性目線で綴った歌詞、kenとtetsuyaのツインギターという驚きの編成による、美しい曲だ。余韻冷めやらぬなか、kenのかき鳴らすアコギで始まったのは、20年前にリリースされた『Tierra』に収録されている「Blame」。久しく演奏されておらず、観客は喜びを抑えきれない様子。こうして今と過去をダイナミックに繋いで提示したことが、未来へと歩む意志を強く浮きぼりにしたように感じられた。
kenのMCでは空気が一変、万歩計や迷子が登場するシュールな夢の話で笑いを誘ったのち、「Caress of Venus」へ。「Driver's High」「Link」とたたみかけ、興奮は最高潮に。hydeはL'edバンドの観客参加型演出に触れ、「君たち一人ひとり大事なんですよ」と感謝を伝えた。「ぜんぜん久しぶりな感じがしないです。“体が覚えてる”っていうやつ?」とも語り、バンドの歴史への想いをのぞかせる。最後は「虹」。七色に染められた会場の光の海が、刻々と色を変える光景が壮観だった。花火が打ちあがり、バナナを投げおえたtetsuyaの「また明日ね!」という言葉で2日目へと繋げた。
- get out from the shell
- SEVENTH HEAVEN
- REVELATION
- GOOD LUCK MY WAY
- BLESS
- HONEY
- winter fall
- New World
- READY STEADY GO
- the Fourth Avenue Cafe
- 未来世界
- あなた
- MY HEART DRAWS A DREAM
- CHASE
- X X X
- wild flower
- DRINK IT DOWN
- EVERLASTING
- Blame
- Caress of Venus
- Driver's High
- Link
- 虹
photo by HIDEAKI IMAMOTO, KAZUKO TANAKA,
TAKAYUKI OKADA, TOSHIKAZU OGURUMA
text by TAE OHMAE