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“30th L'Anniversary LIVE”2022.5.22@東京ドーム
Text by TAE OMAE
Photo by HIDEAKI IMAMOTO, HIROAKI ISHIKAWA, TAKAYUKI OKADA, TOSHIKAZU OGURUMA, YUKI KAWAMOTO
Day2も初日同様「ミライ」で、より落ちついたテンションの幕開け。LEDビジョンに映しだされる、羽ばたく翼のようにも螺旋を描く波形のようにも見えるモチーフに目を凝らすと、それは無数の文字や数字で形成されており、アカシック レコードを可視化したかのよう。映像演出は初見のインパクトだけでなく、2日目になって初めて気づく凝った仕かけも施されていた。「Lies and Truth」までテンポよく展開していき、厳かなストリングス サウンドで雰囲気が激変すると、この日は「叙情詩」に代わり「瞳の住人」を披露。朝靄のような柔らかい光に満ちた森の映像をバックに、天上のしらべのごとき美しい音楽を歌いとどけた。

「もっと東京ドームって(ステージと客席の距離が)遠いと思ったんだけど、近いね。それ(バットマラカスライト)持ってるから全部見える」とhydeは、ファン一人ひとりの存在を確かめるように客席を見つめ、集まった5万人に「(ラルク アン シエル)好きなん?」と問いかけ。シャカシャカと健気に音で答えるファンを「かわいい」と愛おしそうに笑い、その後「X X X」の官能的な世界へと深く誘っていった。一瞬の静寂のあと「fate」が始まり、kenの澄みわたるサスティーンが響くと、それが合図であったかのように会場の空気が切りかわった。切々と哀訴したかのように思えば、悪魔のように荒ぶって激情をあらわにhydeは歌唱し、熱烈な演奏で3人が寄りそう。4人のパフォーマンスは初日にも増して、剥きだしの魂を感じさせた。不条理な戦いに翻弄される個人の心象と、その舞台となる雄大な自然を、ほんの数分の楽曲でこれほどまでに物語として描ききるラルク アン シエルの芸術性に驚嘆するばかりだった。「finale」もまた、ただダークなだけでなく、迫りくる恐怖、ピュアさ、儚さ、気だるさなど多様な美を音に宿した表現で圧倒。「MY HEART DRAWS A DREAM」は、直前までの重さとは対照的に、どこまでも軽やかでやさしく穏やか。曲間でハミングするファンの姿を、メンバーは清々しい笑顔で見つめ、耳を傾けた。

kenのクイズMCは質問の難易度が上がり、メンバーとファンの以心伝心度を問うような内容に変化。カオスと化してメンバーが爆笑するなか、kenは30周年をふり返り、冗談めかした口調ではあったものの“これからも共に歩もう”という趣旨のコメントをして“エンジン スタート”。「Driver's High」へと突入、「HONEY」まで勢いよくひたすら楽しさに身を任せるようにして駆けぬけていった。「いばらの涙」では、単語ごと一音ごとに強弱を割りふり表現豊かなヴォーカリゼーションをくり広げたhyde。地獄で身を焦がしながらも信念を誰にも奪わせない、と何かに抗うような力強いパフォーマンス。曲の終わりではtetsuyaがベースを垂直に、天に突きさすように掲げた。「Shout at the Devil」も、やはり激しさのなかに真っすぐな意志の強さが表れるパフォーマンス。風に立ちむかいフラッグを叩きつけながら熱唱するhydeは、反乱ではなく真実を求める革命者の象徴。ラスト、ドラムを一心不乱に強打するyukihiroの姿は気迫に満ち、言葉はなくとも多くのメッセージが伝わってきた。

ark号から降りて円形のサブステージへ上り、位置につくと、「ちょっと揺れてね、怖かったね」「怖かったね」などと“乗り心地”をふり返ってトークするhydeとtetsuya。“L'Arc~en~Ciel”と描かれた透明な傘をhydeが開き、1曲目に披露したのはまたしても驚きの選曲「Shingin' in the Rain」。落ちついたテンションでしっとりと届けたが、ファンの歓喜と興奮はすさまじく、終わりを惜しむような大拍手はやまない雨を思わせる轟音だった。自ら几帳面に傘を畳みながらhydeは雨を好きだと語り、「とても心が洗われる。この曲で少しでも好きになってくれればいいなと」。次の曲に向けてファンがバットマラカスライトの光をオレンジと赤に灯すなか、「すごいね。みんなの真んなかにいる感じがする。きれいな眺め」と会場を改めて見わたした。アリーナ後方に浮かぶ小舟のようなステージは、ファン一人ひとりが灯す光に包まれ、4人が守られているようにも見える。届けたのは、「LOST HEAVEN」。選曲理由のひとつを、「歴史を感じるような歌詞の内容だった」とhydeは明かした。円熟味たっぷりの歌と演奏にファンは深く惹きこまれ、じっと立ちつくしていた。「世のなか物騒な感じになっておりますが。こんなきれいな景色があるのにね」とhydeは残念そうに語り、「平和を願って」との言葉から届けた「星空」は祈りそのもの。哀切と温もりを湛えたkenのギターが慈雨のように心に染みわたる。争いの終わった世界の訪れを願って目を閉じ、思いえがく夢そのものの美しい光景が、東京ドームに広がっていた。幸福な余韻をサブステージに残し、いよいよライヴは最後の場面を迎えようとしていた。
WAVE GAMEではオーディエンスが初日の経験をもとに学習した結果、LEDビジョンの図示どおり、ブロックごとに色分けをしてバットマラカスライトを点灯。音声アナウンスによる指示もないのに、まるでこのコーナーだけコンピュター制御で色分けされたのかと勘違いするほど完璧に、5万人が虹を表現していた。「FOREVER」「予感」と30年の時を瞬時にトリップするような曲順で披露したあと、「Blurry Eyes」がスタートするかと思いきや、yukihiroが珍しく入りを見失い(こちらとしてはまったくわからなかったのだが……)、立ちあがって何度も頭を下げるという場面も。hydeは、「そういうとこSNSに書きなさいよ! 僕の間違いばっかり書かずに(笑)」とファンに指令。メンバーも笑い、この思わぬハプニングはリラックス ムードと朗らかなムードを、別れが近づいた終盤にもたらした。曲間のブレイクでtetsuyaは「さっき虹っぽくなってたよね?」とファンのウェーブをふり返り、「すごいきれいやなって見とれてたら、演奏間違えました(笑)。みなさんご存じ? ラルク アン シエルってフランス語で虹って意味でしょ? こういうことができるのも、虹っていうバンド名があるからじゃない? ラルク アン シエルってつけてよかった」と誇らしげに喜びを語った。「カラフルなもの見ると“これ買わな!”って思っちゃう」と虹色アイテムが気になる旨を語ったが、これは“ドL'あるある”だろう。「30年も愛されつづけるバンドになれてうれしいな」「ラルクを好きになってくれてありがとう!」など、喜びと感謝をストレートな言葉にして伝えた。


hydeも、最後の「虹」を披露する前に改めて感謝を切々と語り、「つらいときにやめてたら、悲しい記憶だけ悔しい記憶だけ残るかもしれませんけど、乗りこえたら、こういう素敵な景色が待ってたんだなと思うとね。みんながいてくれたから、支えてくれたからかなと思います。連れてきてくれてありがとうございます」と30年の軌跡に想いを馳せた。加えて30周年イヤーに関しても、「世界的にも大変な時期と重なってしまって……虹っていうのは、雨がやむときに出来るんですよ」とも語った。ラルク アン シエルの悲喜こもごもすべてを内包し、未来への一歩を踏みだす名曲「虹」は、30周年イヤーの幕を下ろすのにこの上なくふさわしく、昂りをあらわにしたパフォーマンスはいつまでも心に残った。虹を意味するフランス語を名に持ち、長い歴史のなかで紆余曲折を経験したラルク アン シエル。彼らが歩みを止めずこの時代に存在し、彼らの音楽、存在を愛するファンと美しい光の光景を共有しつづけていること。それ自体が希望であり、平和な未来を願う祈りでもある。雨のあとに空に架かる虹であるラルク アン シエルは、その名を冠して31年前に生まれた瞬間から、そんな使命を帯びる運命だったのかもしれない。30周年アニバーサリー イヤーの終着点を見とどけて今、巡らせているのは、そんな想いである。

■セットリスト
01. ミライ
02. READY STEADY GO
03. New World
04. SEVENTH HEAVEN
05. Lies and Truth
06. 瞳の住人
07. X X X
08. fate
09. finale
10. MY HEART DRAWS A DREAM
11. Driver's High
12. Pretty girl
13. STAY AWAY
14. HONEY
15. いばらの涙
16. Shout at the Devil
17. Singin' in the Rain
18. LOST HEAVEN
19. 星空
20. FOREVER
21. 予感
22. Blurry Eyes
23. GOOD LUCK MY WAY
24. 虹

「もっと東京ドームって(ステージと客席の距離が)遠いと思ったんだけど、近いね。それ(バットマラカスライト)持ってるから全部見える」とhydeは、ファン一人ひとりの存在を確かめるように客席を見つめ、集まった5万人に「(ラルク アン シエル)好きなん?」と問いかけ。シャカシャカと健気に音で答えるファンを「かわいい」と愛おしそうに笑い、その後「X X X」の官能的な世界へと深く誘っていった。一瞬の静寂のあと「fate」が始まり、kenの澄みわたるサスティーンが響くと、それが合図であったかのように会場の空気が切りかわった。切々と哀訴したかのように思えば、悪魔のように荒ぶって激情をあらわにhydeは歌唱し、熱烈な演奏で3人が寄りそう。4人のパフォーマンスは初日にも増して、剥きだしの魂を感じさせた。不条理な戦いに翻弄される個人の心象と、その舞台となる雄大な自然を、ほんの数分の楽曲でこれほどまでに物語として描ききるラルク アン シエルの芸術性に驚嘆するばかりだった。「finale」もまた、ただダークなだけでなく、迫りくる恐怖、ピュアさ、儚さ、気だるさなど多様な美を音に宿した表現で圧倒。「MY HEART DRAWS A DREAM」は、直前までの重さとは対照的に、どこまでも軽やかでやさしく穏やか。曲間でハミングするファンの姿を、メンバーは清々しい笑顔で見つめ、耳を傾けた。

kenのクイズMCは質問の難易度が上がり、メンバーとファンの以心伝心度を問うような内容に変化。カオスと化してメンバーが爆笑するなか、kenは30周年をふり返り、冗談めかした口調ではあったものの“これからも共に歩もう”という趣旨のコメントをして“エンジン スタート”。「Driver's High」へと突入、「HONEY」まで勢いよくひたすら楽しさに身を任せるようにして駆けぬけていった。「いばらの涙」では、単語ごと一音ごとに強弱を割りふり表現豊かなヴォーカリゼーションをくり広げたhyde。地獄で身を焦がしながらも信念を誰にも奪わせない、と何かに抗うような力強いパフォーマンス。曲の終わりではtetsuyaがベースを垂直に、天に突きさすように掲げた。「Shout at the Devil」も、やはり激しさのなかに真っすぐな意志の強さが表れるパフォーマンス。風に立ちむかいフラッグを叩きつけながら熱唱するhydeは、反乱ではなく真実を求める革命者の象徴。ラスト、ドラムを一心不乱に強打するyukihiroの姿は気迫に満ち、言葉はなくとも多くのメッセージが伝わってきた。

ark号から降りて円形のサブステージへ上り、位置につくと、「ちょっと揺れてね、怖かったね」「怖かったね」などと“乗り心地”をふり返ってトークするhydeとtetsuya。“L'Arc~en~Ciel”と描かれた透明な傘をhydeが開き、1曲目に披露したのはまたしても驚きの選曲「Shingin' in the Rain」。落ちついたテンションでしっとりと届けたが、ファンの歓喜と興奮はすさまじく、終わりを惜しむような大拍手はやまない雨を思わせる轟音だった。自ら几帳面に傘を畳みながらhydeは雨を好きだと語り、「とても心が洗われる。この曲で少しでも好きになってくれればいいなと」。次の曲に向けてファンがバットマラカスライトの光をオレンジと赤に灯すなか、「すごいね。みんなの真んなかにいる感じがする。きれいな眺め」と会場を改めて見わたした。アリーナ後方に浮かぶ小舟のようなステージは、ファン一人ひとりが灯す光に包まれ、4人が守られているようにも見える。届けたのは、「LOST HEAVEN」。選曲理由のひとつを、「歴史を感じるような歌詞の内容だった」とhydeは明かした。円熟味たっぷりの歌と演奏にファンは深く惹きこまれ、じっと立ちつくしていた。「世のなか物騒な感じになっておりますが。こんなきれいな景色があるのにね」とhydeは残念そうに語り、「平和を願って」との言葉から届けた「星空」は祈りそのもの。哀切と温もりを湛えたkenのギターが慈雨のように心に染みわたる。争いの終わった世界の訪れを願って目を閉じ、思いえがく夢そのものの美しい光景が、東京ドームに広がっていた。幸福な余韻をサブステージに残し、いよいよライヴは最後の場面を迎えようとしていた。
WAVE GAMEではオーディエンスが初日の経験をもとに学習した結果、LEDビジョンの図示どおり、ブロックごとに色分けをしてバットマラカスライトを点灯。音声アナウンスによる指示もないのに、まるでこのコーナーだけコンピュター制御で色分けされたのかと勘違いするほど完璧に、5万人が虹を表現していた。「FOREVER」「予感」と30年の時を瞬時にトリップするような曲順で披露したあと、「Blurry Eyes」がスタートするかと思いきや、yukihiroが珍しく入りを見失い(こちらとしてはまったくわからなかったのだが……)、立ちあがって何度も頭を下げるという場面も。hydeは、「そういうとこSNSに書きなさいよ! 僕の間違いばっかり書かずに(笑)」とファンに指令。メンバーも笑い、この思わぬハプニングはリラックス ムードと朗らかなムードを、別れが近づいた終盤にもたらした。曲間のブレイクでtetsuyaは「さっき虹っぽくなってたよね?」とファンのウェーブをふり返り、「すごいきれいやなって見とれてたら、演奏間違えました(笑)。みなさんご存じ? ラルク アン シエルってフランス語で虹って意味でしょ? こういうことができるのも、虹っていうバンド名があるからじゃない? ラルク アン シエルってつけてよかった」と誇らしげに喜びを語った。「カラフルなもの見ると“これ買わな!”って思っちゃう」と虹色アイテムが気になる旨を語ったが、これは“ドL'あるある”だろう。「30年も愛されつづけるバンドになれてうれしいな」「ラルクを好きになってくれてありがとう!」など、喜びと感謝をストレートな言葉にして伝えた。


hydeも、最後の「虹」を披露する前に改めて感謝を切々と語り、「つらいときにやめてたら、悲しい記憶だけ悔しい記憶だけ残るかもしれませんけど、乗りこえたら、こういう素敵な景色が待ってたんだなと思うとね。みんながいてくれたから、支えてくれたからかなと思います。連れてきてくれてありがとうございます」と30年の軌跡に想いを馳せた。加えて30周年イヤーに関しても、「世界的にも大変な時期と重なってしまって……虹っていうのは、雨がやむときに出来るんですよ」とも語った。ラルク アン シエルの悲喜こもごもすべてを内包し、未来への一歩を踏みだす名曲「虹」は、30周年イヤーの幕を下ろすのにこの上なくふさわしく、昂りをあらわにしたパフォーマンスはいつまでも心に残った。虹を意味するフランス語を名に持ち、長い歴史のなかで紆余曲折を経験したラルク アン シエル。彼らが歩みを止めずこの時代に存在し、彼らの音楽、存在を愛するファンと美しい光の光景を共有しつづけていること。それ自体が希望であり、平和な未来を願う祈りでもある。雨のあとに空に架かる虹であるラルク アン シエルは、その名を冠して31年前に生まれた瞬間から、そんな使命を帯びる運命だったのかもしれない。30周年アニバーサリー イヤーの終着点を見とどけて今、巡らせているのは、そんな想いである。

■セットリスト
01. ミライ
02. READY STEADY GO
03. New World
04. SEVENTH HEAVEN
05. Lies and Truth
06. 瞳の住人
07. X X X
08. fate
09. finale
10. MY HEART DRAWS A DREAM
11. Driver's High
12. Pretty girl
13. STAY AWAY
14. HONEY
15. いばらの涙
16. Shout at the Devil
17. Singin' in the Rain
18. LOST HEAVEN
19. 星空
20. FOREVER
21. 予感
22. Blurry Eyes
23. GOOD LUCK MY WAY
24. 虹