30th L'Anniversary Logo

REPORT

30th L’Anniversary Starting Live“L’APPY BIRTHDAY!”
2021年5月30日 @幕張メッセ国際展示場1~3ホール
Text by AKI ITO
Photo by HIROAKI ISHIKAWA, TAKAYUKI OKADA, YUKI KAWAMOTO

ラルク アン シエルの結成30周年を記念したライヴ「30th L'Anniversary Starting Live“L'APPY BIRTHDAY!”」は、妖艶なミディアム チューン「X X X」でスタートした。観客が持つ色とりどりのバットマラカスライト(公式グッズ)が揺れた「Caress of Venus」では、hydeがカメラ目線で投げキッス。「会いたかった? 俺も会いたかった」というhydeのMCから、「CHASE」「winter fall」「flower」と、新旧のシングル曲を立てつづけに披露した。前述したバットマラカスライトはもちろん、序盤からのメリハリあるセットリストに、彼らがこの日のライヴを観客といっしょに楽しむため、考えぬいたことがうかがえる。そして、楽曲バリエーションの豊富さ、決して色褪せない楽曲のフレッシュさに、彼らのポップネスに対するスタンスを改めて感じた。ファンキーなグルーヴを携えた「metropolis」を披露したあと、「DAYBREAK'S BELL」へ。この曲では、観客が持っていたバットマラカスライトと照明で、会場が真っ赤に染まった。「REVELATION」では、tetsuyaが前に出てきて、右手を大きく振りながら“もっと来い!”と言わんばかりのアクションを見せる。「NEO UNIVERSE」では、淡いブルーやパープルのムービング ライトが、躍動するリズムに合わせて旋回した。


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中盤。ステージ全体を使い、霧が立ちこめるなかに雨の降る演出を見せた「EVERLASTING」。曲が進むにつれて、雨がやんでいく。天を仰ぎロマンチックな調べを響かせるken。ステージ天井からの無数の白光がkenに集まる。希望の光がラルク アン シエルのもとに集まり、彼らのサウンドになっていくかのようだ。雨が上がったステージから放たれたのは、「MY HEART DRAWS A DREAM」だった。“♪太陽を~”という歌詞に合わせ、hydeは手を伸ばして眩しそうな表情を見せた。tetsuyaは真っすぐに客席を見つめ、ゆっくり視線を動かして頷きながら、力いっぱい“♪夢を描くよ”というフレーズをくり返していた。
ライヴは、終盤へ向かう。hydeが観客といっしょにジャンプした「Driver's High」。ステージ上に銀テープが舞った「READY STEADY GO」では、最後のブレイクの部分でyukihiroが柔らかな笑顔を見せた。


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いったんステージをあとにしたラルク アン シエル。彼らを待つ会場に流れてきたのは、繊細なピアノのフレーズで始まる「あなた」だった。大きなミラーボールが会場にたくさんの光を降らす。シンプルで包容力のあるピュアなメロディ。体を揺らして聴きいっている観客の姿を見ながら、声は出せないが、心のなかでメロディを鳴らしているのだろうと思った。観客の歌声はなかったけれど、そのぶん、メロディのよさ、楽曲のクオリティが浮き彫りになったように思う。思えば、ラルク アン シエルというバンドはいつでもストイックにクオリティにこだわってきた。楽曲はもちろん、どんな瞬間においても、だ。さらには、メンバー4人の音楽に対する探求心が、既存の曲を絶え間なくブラッシュ アップし続けてきた。だから、彼らの曲は色褪せない。

hydeがマイクをとる。「次は30周年に合わせて作った曲」と言ったあと、「みんなが持っている光を見ながら、みんなで歌うのを想像してたんですけど、今回は無理っぽい。だから、次回のお楽しみに取っておきたいな、と。次があるって思うといいじゃない?」と、新曲「ミライ」を披露した。スクリーンに歌詞が映しだされる。しっかり受けとめようと、サウンドと歌詞に集中する観客。笑顔の人、真剣な表情の人、祈るようにステージを見つめる人、頬をつたう涙を拭うこともせず静かにリズムを取る人、胸元にバットマラカスライトを抱きしめ涙をこらえている人……。流麗なメロディ、力強いコーラス、雄大で包容力あるサビ、シンプルでポジティヴな歌詞。新たな“ミライ”のなかで、ひとつになりたくてもなれなかったたくさんの気持ちがまとまっていく――“♪今虹がかかり一つに繋がる”という歌詞と共に……。


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ラルク アン シエルにとって、そして彼らのファンにとって“虹”という言葉は特別だ。その特別な言葉をこのタイミングで放ったことには、大きな意味があるのだろう。それぞれが持つ“大きな意味”は、これからそれぞれの“ミライ”へ変わっていくはずだ。「Dune」「GOOD LUCK MY WAY」で盛りあげたあと、最後のMCへ。「ありがとう。30周年、どうなることかと思いましたけど、なんとかライヴができました」(hyde)という言葉に、会場から大きな拍手が起こる。「やっぱりお客さんがいるっていいよね。みんながいるから成長するし、みんなが盛りあがるから俺らも盛りあがる」と言ったあと、こう続けた。

「いろんな気持ちがあって、ここに集まってくれたんだろうなと思います。長い間、僕たちを思ってくれて本当にうれしい。ありがとう」
ほかのメンバーの姿が、順番にスクリーンに映る。全員が客席を見つめている。tetsuyaは客席に向かって拍手し、ファンを讃えていた。そうして、hydeはこう締めくくった。
「歳を取って丸くなるのもいやだなと思うんで、これからも尖っていこうと思います」
観客からの大きな拍手を受け、最後を飾ったのは「虹」。エンディングのアレンジで「Happy Birthday to You」を奏で、全員で“L'APPY BIRTHDAY”を祝いライヴは幕を閉じた。


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このライヴから1ヵ月と少し経った頃。新たなうれしい情報が飛びこんできた。「ミライ」に続く新曲「FOREVER」が、テレビアニメ『EDENS ZERO』(日本テレビ系)のオープニング テーマに決定したのだ。「FOREVER」の作曲者であるtetsuyaから届いたオフィシャル コメントには、こんな言葉が記されていた。

「疾走感のある夏らしい爽やかな曲をイメージして作りました、繰り返して何度でも聞きたい曲に仕上がったと思います。バンド結成30周年の今年、「ミライ」の次にリリースする楽曲「FOREVER」未来永劫、続いていく、そんな思いも込めました。ライヴでも盛り上がると思うので今から楽しみです」(原文ママ)

未来永劫、続いていく。今、こんなにもうれしい言葉はない。


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SETLIST

01. X X X
02. Caress of Venus
03. CHASE
04. winter fall
05. flower
06. metropolis
07. DAYBREAK'S BELL
08. REVELATION
09. NEO UNIVERSE
10. get out from the shell
11. 花葬
12. EVERLASTING
13. MY HEART DRAWS A DREAM
14. Driver's High
15. HONEY
16. READY STEADY GO
17. あなた
18. ミライ
19. Dune
20. GOOD LUCK MY WAY
21. 虹

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