コラボロゴ
ライヴレポート

2021年9月5日(日) 大阪城ホール

Text by TAE OHMAE
Photo by HIROAKI ISHIKAWA, YUKI KAWAMOTO

「すごくないですか? 30年経って大阪に戻ってきて……(難波)ROCKETSはもうない。寂しいね。でも、俺たちはいる」

hydeはライヴ終盤でこう語った。30年という時間の重み、その意味を、問いかけられているようにも感じた。




緊急事態宣言が延長され先が見えない状況でありながらも、ファンの協力のもと、新型コロナ感染防止対策に取りくみ、迎えた9月5日。ラルク アン シエルは、“30th L'Anniversary TOUR”の開催に漕ぎつけた。難波ROCKETSとは、ラルク アン シエルが初めてライヴを行った場所であり、大阪は聖地。この日「As if in a dream」を披露したとき、ビジョン下段に掲示されていたのは初期のバンドロゴ。それを台座としたステージに立ち、およそ30年前から存在する曲をパフォーマンスしたメンバーの胸には、どんな思いが去来しただろうか?




5月29?30日に幕張メッセ国際展示場1?3ホールで開催された「30th L'Anniversary Starting Live“L'APPY BIRTHDAY!”」のコンセプトを踏襲し、今回のツアーは王道の代表曲がひしめくセットリスト。「HONEY」も「READY STEADY GO」も「Link」も「花葬」も「CHASE」も、新旧ヒット曲が盛りこまれている。開演前には、Twitterでのハッシュタグ企画「#思い出のラルク曲」に寄せられた投稿をビジョンに次々と表示。そのエピソードは多岐にわたり、30年という歴史がファンの人生と強く結びついている事実を目の当たりにした。




圧倒的近さが好評だった“ARENA TOUR MMXX”の円形センター ステージを今回も採用。コロナ禍の影響で2020年のツアーは中断したため、体験することのできなかったファンも多くいた幻の演出がカムバック。次々と変わっていく景色から目を離すことができず、ワクワク感が途絶えない。「Driver's High」のエンジン音を鳴らす合図として、“念力”を出すようkenがファンに呼びかけるMCをしているとき、ドラム台に腰かけて待機していたyukihiroが両手のひらをパーの形に広げ、まさしく念力を放つようなジェスチャーをするひと幕も。




また、衣装のリボンが何度もほどけて困っていたhydeが、「今なんと、tetsuyaさんが結んでくれました(笑)」と明かすと、「ほどけにくい結び方があんねん」とtetsuyaも笑顔。hydeは続けて、「「こうやったらほどけへんからな」(※とtetsuyaのまねをして)、お母さんのようでした(笑)。またほどけたら結んでもらおうかな?」。そんなふたりの微笑ましい交流を見まもるkenとyukihiro。ファンは声を上げることはできないものの、拍手や「バット マラカスライト」で熱くリアクションしていた。

冒頭でピックアップしたhydeの言葉どおり、ラルク アン シエルは2021年という今の時代に“いる”。そして、「ミライ」「FOREVER」と連続で世に放った新曲たちも披露するなど最新の姿を見せながら、勢いよく31年目を走りはじめている――。