9.21(月/祝)
ラルク アン シエルのワンマン ライヴとしては、“L'Arc~en~Ciel LIVE 2014 at 国立競技場”以来1年半ぶりの開催となる“L'Arc~en~Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO”。場所は、バンドの地元大阪にある夢洲野外特設会場。全国各地から集まった5万人の観客は、バスに乗り未知なる島へと向かった。初日の9月21日、天気は晴れ。メインゲートをくぐり、カジノ台やメリーゴーランドなどのアトラクションを通りぬけて広大なライヴエリアに辿りつく。前方には、トランプやサイコロなどカラフルなカジノ モチーフをあしらった巨大なステージ セットがそびえ、そのスケール感に圧倒された。
16時30分、W'ArCASINOで荒稼ぎしてギャングに追われるメンバーが乗りこんだ車がL'ArCASINOに到着する、というストーリー仕立てのアニメーションに続き、リムジンに乗った本物のメンバーが登場。大歓声を浴びながら、客席エリアの中央を貫く花道を、ラル札(メンバーのイラストが描かれた、L'ArCASINO仕様の紙幣)を空に舞いあがらせながら、メイン ステージへと移動。1曲目はこの狂騒にふさわしい「SEVENTH HEAVEN」。hydeが「Welcome to L'ArCASINO!」と叫ぶと、金色に輝くコイン型の紙が噴出、華やかな宴がいよいよ幕を上げた。手拍子で早々に会場を一体化させた「Link」、バニーガール姿の女性ダンサー陣が登場した「Pretty girl」と続けたあと、改めてhydeがあいさつ。「やっと日本に合法カジノが上陸した! 君たちは最初のゲストだ!」「金でなんでも買えると思うなよ? 金で買えるのは……ほとんどだ!」と笑わせると、「この夢と欲望の街、夢洲で一攫千金狙おうぜ。夢をつかもうぜ!」と叫び、「Blurry Eyes」「flower」を連打。シンプルかつ美しいバンド アンサンブルに酔いしれていると、道化師たちが登場。ラル札にまみれたオルガンやパーカッションをたたき鳴らし、「and She Said」でサイケデリックな世界へと誘った。打ってかわって「ROUTE 666」では攻撃的に、すさまじい疾走感で会場を沸きたたせていく。いわゆるレア曲の連打に観客の興奮は覚めやらない。kenによる「いつも自分のことしか考えないんですけど、みんなのことを考えたらどうなるんかな?」という、ギターを弾く際の心構えを語るMCは、「どっちがええのん?」と観客に拍手を募った末、「みんなのことを思って1曲やります」と結んで「HEAVEN'S DRIVE」へ。めまぐるしく動きまわるtetsuyaのベースラインが牽引する怒涛のグルーヴに、会場全体が巻きこまれていった。
再びリムジンに乗りこんだ4人は、花道を移動して後方のサブステージへ。「こんなところまでよく来たね」と、しみじみとhydeはつぶやく。そんなファンを労うように、「ちょっと懐かしい曲を」との言葉から、「Wind of Gold」と「ALONE EN LA VIDA」を披露。夕焼けに染まる空の下、自然との完璧な調和を見せたあまりに芸術的なステージ。切ない旅愁を漂わせた世にも美しいこの2曲を味わった時間は、永く忘れがたい記憶として刻まれたことだろう。深い余韻のあと、hydeはオウムのオブジェを“相棒”にした腹話術(?)を交え、メンバーとのやりとりでファンを和ませた。続いて、「MY HEART DRAWS A DREAM」で大合唱となった歌声は、美しい模様を描いて雲がたなびく大空へと放たれていった。
メンバーがラル札、チップ(L'ArCHIP)を自らまきながら花道を歩いてメイン ステージへ戻ると、道化師たちによるパントマイム タイムへ。スロットが「trick」の文字で揃うと、火薬が弾け銃声のような音が鳴り、後半戦がスタート。yukihiroによる英語の前口上に続き、メンバー全員でギターをかき鳴らし、順にヴォーカルをとるアレンジに会場は沸きに沸いた。「REVELATION」は、yukihiroのみならずkenとtetsuyaもパーカッションを乱打し、hydeは道化師たちを従えて花道を勇ましく闊歩した。やがてステージ セットが扉を開くように左右に移動し、横一面の巨大なLEDスクリーンが出現すると、ビル街を鳥瞰するハイパーな映像と共に「CHASE」が投下された。続く「X X X」ではピンクや紫のライティングも相まって、どこまでも妖艶に。かと思えば、海底の映像を背後に「TRUST」を披露すると、神秘的なムードで会場を包みこんでいく。あまりに新鮮な場面の連続で呆気にとられ、心を奪われっぱなしのシークエンスだった。
「できれば夏っぽいシングルをリリースして本番に挑みたいな、と思っていたんですけど、ご覧のような結果になって……」(hyde)と冗談っぽく落胆してみせたあと、新曲「Wings Flap」を初披露する、といううれしいサプライズも。シティポップ調の響きを持つどこか懐かしいメロディ ラインと軽妙なリズム、テンポが心地よい楽曲で、夏を待ちどおしくさせた。続く「Caress of Venus」で会場をダンスフロアに変貌させると、エンジン音を合図に「Driver's High」へ。花道では炎がくり返し噴出、観客はジャンプし、拳をふり上げて楽しさを全身で表現していく。メンバーも笑顔で活き活きとした表情を浮かべながら音を鳴らしていた。「もっと熱くなろうぜ! 夢洲、行こうぜ!」とhydeが煽って「HONEY」で沸かせたあと、tetsuyaが歪んだベース音をうねらせながら、「ワッショイ~! 大阪、おげ~んき? ごぞ~んじ? 楽しんでる?」と観客とコミュニケーションを図り、「STAY AWAY」へと突入、ダンサー陣を交えてゴージャスなステージングを展開。「READY STEADY GO」で思いきりアッパーに盛りあげ、勢い余って花道の後方までダッシュしたhydeは、「途中から戻れなくなっちゃった(笑)」と笑わせた。メンバーの即興演奏に合わせてメイン ステージに帰りつくとつっ伏し、ファンのhydeコールに支えられて起きあがると、「みんなかわいいよ。こんな遠くまで来てくれて……よっぽど(ラルク アン シエルが)好きなんやな」とコメント。夢洲が開発された暁には、「友達に自慢してください。更地やったんやけど、すごい伝説のライヴがあったんだよって」と未来へと想いを馳せ、最後に届けたのは「あなた」。何かをひたむきに願うような澄みわたった歌声はこの上なく温かく、声を合わせるファンを慈しみ深く見つめるhydeの表情も印象深かった。フィナーレは、盛大な花火が打ち上げられ、海に架かった橋が虹色にライトアップされるという、まさしく夢のような美しさを見せつけた。感嘆の溜息が絶えることのない、すばらしい初日だった。
Text by TAE OHMAE
SETLIST
- 01.SEVENTH HEAVEN
- 02.Link
- 03.Pretty girl
- 04.Blurry Eyes
- 05.flower
- 06.and She Said
- 07.ROUTE 666
- 08.HEAVEN'S DRIVE
- 09.Wind of Gold
- 10.ALONE EN LA VIDA
- 11.MY HEART DRAWS A DREAM
- 12.trick
- 13.REVELATION
- 14.CHASE
- 15.X X X
- 16.TRUST
- 17.Wings Flap
- 18.Caress of Venus
- 19.Driver's High
- 20.HONEY
- 21.STAY AWAY
- 22.READY STEADY GO
- 23.あなた
Photo by
CHIE KATO, HIDEAKI IMAMOTO,
KAZUKO TANAKA, TOSHIKAZU OGURUMA,
YUKI KAWAMOTO